2001年秋・香嵐渓の旅

11月22日、東海でも有数の紅葉の名所と言われる香嵐渓に行きました。
ウチからは5時間は楽にかかるだろう、という距離です。
朝は4時に起きて5時に出発ですが、当然ながら眠い。
まだ朝も早いので、真っ暗の中を走っていると、だんだんと夜が明けてきます。
そして朝焼けにあたりが薄い紫色に包まれた頃、大きな富士山が現れました。
すっかり雪化粧の富士山は、晴れ渡った空の下で、裾野までくっきりと優雅な姿を見せてくれます。
真っ白の雪が朝焼けに照らされてピンク色に染まって行く様子は、
例えようもなく美しいものでした。
天気にも恵まれて、これは幸先がいいぞ、と気分もよくなり、車は快調に走っていきました。
だんだんとあたりの様子も山深くなり、その山も紅葉に彩られ、ますます期待が高まってきます。
そうして辿りついた時には10時くらいでしたが、
さすがに紅葉のメッカだけあって、すでに車の渋滞の列が。
  観光バスもあり、普通の車もあり、とにかく大行列です。
こんな調子では駐車場に入るのも一苦労だと、
思わず目に付いた手近な所に停めてしまいました。
確かに香嵐渓まではちょっと歩くかもしれませんが、
それでもダラダラと渋滞にはまっているよりはマシ。
それにそこの駐車場の看板には「歩いて8分」と書いてあったし。
ところが8分どころか、歩いても歩いても、それらしいところは出てこないし、
もっと香嵐渓に近い駐車場だって、まだ空きがあるじゃありませんか…。
早まってしまいました(泣)。
ただ遠いだけのことはあって料金は安かったけど。結局、15分くらいは歩いたでしょうか。
ようやく観光バスも停まるような大きな駐車場が見えてきて、いよいよ目的地です。
そこからは見事に紅葉した山が見えるではありませんか。
はやる気持ちを抑え、周りの店屋からのいい匂いにも負けず、いざ香嵐渓へ。

観光バス駐車場から見た香嵐渓


さあ、絵ハガキみたいな素晴らしい渓谷の紅葉が…。
見られるはずなんだけど。あれ?こんなものなの。
確かにモミジ(カエデ?)の木はたくさんあります。
でもあんまりキレイじゃない…?
なんというか、すでに枯れかかっているような感じ。
「赤」じゃなくて「茶色」なんです。
残念ながら、今年は暖かくて紅葉の出来(?)が今ひとつだったのでしょうか。
期待が大きすぎたのかもしれませんが、思っていたほどではなかったです。
光のあたっているモミジは裏側から見ると、なかなかきれいでした。
でもねぇ、紅葉がメインだったのに…。ちょっとがっかりです。


香嵐渓全景 逆光なのでちょっと写りが悪いですが


このときは紅葉が茶色がかっていました


奥に入っていくと土産物屋とか三州足助屋敷とかがある。
でなぜか中華料理の屋台が。
大きな固まりの麺をシャッシャッと削ってお湯の中に入れています。
おお、すごいぞ、それに美味しそう。
だけど、何でこんな所まで来て「中華」を食べなきゃならんの?


奥に見えるのが三州足助屋敷(有料)



それから香嵐渓から少し歩いて古い町並みが残る足助の街へ。
結構いい雰囲気ではあるが完璧な状態で残っているのではない辺りがちょっとね…。

黒壁にはさまれた小道
ここだけそれっぽく作られます


軒先に干し柿がぶらさっがっている家もありました。

そこで、そろそろお昼も近くなってきたし、
ご飯にしようかな、とあたりの店を物色することにしました。
おそば屋さんくらいあるでしょ、と思っていたのに、それが全然なし。
たった1軒、「麺類」とデカデカと書かれた店がありましたが、それじゃなんだか分からん。
店の作りは和風でしたが、ラーメンかもしれないもんね(笑)。
お品書きも出てなかったし。
やがて、お店を求めて、ふらふらとさまよっているうちに、
ついに車まで戻ってきてしまいました。
それでも車で走っている間に、 1軒か2軒はあるでしょう。
きっと食事をする所くらい、腐るほどあるに違いない、と思って戻ったのに…。
ないんです、これーというのが。
  そして、気がつくと、高速道路のパーキングで食べていた私たちなのでありました。
せめて、とばかりに、「きしめん」と「味噌カツ」を頼みました(泣)。
この旅行に暗雲がたちこめてきたような気分になりました。

その気持ちを振り払うように、一路琵琶湖へ。


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