2003年春 根津神社のツツジと浜離宮の牡丹

5月2日せっかくのゴールデンウィーク、そして五月晴れということで、
ドライブに出かけることにしました。
どこに行ってもこの時期は大混雑だろう、
と逆に都会に出てみることに。
とはいえ、東京の道路が混むというのはすでに何度も体験済みなので、
朝早く起きて7時前に出発です。
2時間くらいかかるかも?と覚悟をしつつ、余裕を見て家を出たのに、
道路はガラガラ、信じられないくらい順調に車は走っていきます。
結局、最初の目的地に着いたのは1時間後でした。早いです。
着いたのはつつじの名所根津神社です。
根津神社
おりしもつつじ祭の真っ最中。
期待を胸にさっそく立派な鳥居をくぐって境内に向かいました。
…が、あれ?あんまり花が咲いていません。
このあたりは日陰だから花の咲くのが遅いのかな、と思いながら近くで見てみると…、
実はもうすっかり花が終わって枯れていたのでした。
そんな…、家の方(横浜)はちょうど今が満開なのに。
そんなに違うものなの?東京ってそんなに暑いの?何だかとってもがっかりです。
しかもつつじの咲いている庭園はまだ開いていませんでした。
9時からだそうで。…まだ8時30分なんですけど。家を早く出たのがアダになったか?
つつじ苑(パノラマ)
約2000坪のつつじ苑には、約50種3000株のツツジが満開の筈が…。
つつじ苑
9時になったところで「つつじ苑」に向かいました。
するとのんびり歩いていたところに団体客がぞろぞろとやってくるではありませんか。
大して広い場所でもないのに、あんなのが来たら落ち着いて見ていられないよー、
と急ぎ足で一周する羽目に。
結局落ち着いて見られなかったことには変わりありません(笑)。
つつじ苑
遅咲きのつつじもあり少し楽しめました。
つつじ

根津神社唐門
根津神社の社殿は絢爛華麗な権現造で、色鮮やかで細工も美しく、
正面の唐門と共に見ごたえがありました。
社殿・唐門・楼門・透塀は国の重要文化財に指定されています。


いきなり花を見る旅がつまずいてしまったような気がしますが
、それなりに満足しつつ次の場所に向かいます。
上野駅前、都会の真ん中にある広大な上野公園です。
こちらにはあの有名な西郷さんを始め、不忍池や上野動物園、
あるいは美術館や博物館、いろいろなものが揃っていて、
一日では回りきれないほど。
動物園でパンダを見るというのも捨てがたかったのですが、
今回は上野東照宮に行ってみることにしました。
ところで『東照宮』と言ったら誰もが『日光』を思い浮かべるでしょう。
ですが、徳川幕府は全国に東照宮を建立して家康の霊を祀ったのです。
上野の東照宮もその一つ。
キラキラど派手な日光のものとは違い、上野はとても地味です。
上野東照宮
現在の建物は1651年に三代将軍家光によって大規模に造り替えられ、
一面に金箔が張られ、左甚五郎作の昇り龍・降り龍があったりして、
結構立派だったりします。
さらに建物はもちろんのこと、門や柱、塀、灯篭にいたるまで、
すべてが国の重要文化財に指定されています。
それなのになぜ『地味』というのか?
それはつまり「放ったらかし」だから(苦笑)。
金箔は剥がれまくり、見学者も私たち以外には一人もおらず、
ついでに拝観料も200円。地味すぎます。
ただそれだけに落ち着いて見ることが出来ますし、
ここまで入っていいの?と驚くほど内部にも入れます。
唐門の左甚五郎作の昇り龍・降り龍にも触っちゃったり出来ます(こらこら)。
でもせめて日光の半分、いや10分の1でもお金をかけて欲しいなぁ、と思ったり。
もったいない…。
上野東照宮唐門
唐門の左甚五郎作の昇り龍・降り龍

ここは「ぼたん」も有名なのですが、私たちは中に入りませんでした。
だってつつじが終わっているって事は、おそらくぼたんも終わっていると思って。
600円も払って花が咲いていなかったらショックじゃないですか(苦笑)。


次の目的地は寛永寺でございます。
どれほど立派な場所なのか、と期待しつつ、東照宮からテクテクと徒歩で向かいました。
そしてかなり歩いて辿りついた寛永寺は…、寛永寺は…何もありませんでした(号泣)。
やはりここも人がいません。ついでに隣は幼稚園…。
かつての寛永寺は現在の上野公園の倍にもなる敷地に多くの堂塔があったそうなので、
やはり東の比叡山として相応しい規模だったのでしょうね。
幕末の彰義隊の戦いでほとんどが焼失してしまい
今はほとんど面影が残っていないのが残念です。

上野公園周辺
右下が寛永寺本坊表門
左上は旧因幡鳥取藩池田家の表門(東京国立博物館に移築)国の重要文化財。
右上は黒田清輝記念館
左下は国際子供図書館


何となく期待外れでがっかりしつつ、次は浅草に向かいます。
浅草はもう説明するまでもなく、あの大きな提灯があったり、
雷門や五重塔や仲見世のある場所です。
これまでが全然人がいない、どことなくうち捨てられた印象(苦笑)の
お寺ばかりを回ってきたので、浅草寺の人込みと華やかさにちょっとクラクラ。
でもこうでなくちゃ、と楽しい気分で仲見世をひやかして歩きます。
ここはいかにも外国人向けのうさんくさい土産品が並んでいて、
眺めているだけでも楽しいですね。
浅草雷門

浅草仲見世

浅草寺

天ぷらの葵丸進
お昼はここ葵丸進で天ぷらを食べました。

次は江戸城跡(皇居)に向かうことにしました。
  しかし皇居に行きたいと思ったものの、
どこからどうやって中に入るのかは調べていませんでした。
車でぐるぐる周囲を回ってみれば、どうにかなるだろう、という甘い考えだったのですが
それが大失敗。門は見つかるものの、どれも閉まっています。
どこから入るか分からずに、車をただ走らせていたら…
高速道路になっちゃいました(苦笑)。
気がついた時には入り口の前まで来てしまったので、
引き返すことも出来ずに高速に乗る羽目に。
 後で家に戻ってから調べてみたのですが、
私たちの行った金曜日はお休みだったらしいです。
行こうと思っている方はちゃんと調べてからの方が良いですよ(笑)。



仕方がないので、とりあえず浜離宮恩賜庭園に向かうことにしました。
が、駐車場の場所が分からず、かなり遠くに停めてしまって、
入り口までずいぶん長いこと歩いてようやく到着。
すると目の前に駐車場発見(がっくり)。
しかも停めた所よりもずっと格安(さらにがっくり)。
とりあえず気を取り直して中へ入ります。
 
浜離宮恩賜庭園
手前にある池が潮入りの池、奥に見えるのは東京タワーです。

すると、そこに広がるのはまさに異次元というか異世界というか。
背後には高層ビル群が立ち並んでいるのに、
自分が歩いている所は日本庭園なのですから。
しかもとにかく広大なのです。
例えば最初に書いた根津神社もきれいな庭園があって、
都会の真ん中とは思えない雰囲気に浸れますが、箱庭のような印象を受けます。
それに加えて、嫌でも目に入る高層ビルが不思議と周囲の風景に溶け込んでいて、
やっぱり「異世界」という感じ。
奥に進むと、都内では唯一の海水の池潮入りの池が迎えてくれます。
ほのかに潮の香りがするんですよ、本当に。見た目は池なのに。
浜離宮恩賜庭園は当初、徳川将軍家の鷹狩りの場であったが、
海を埋め立てて別邸、 甲府浜屋敷を建てたことに始まる。
その後、明治維新を迎えて
皇室の所有地となり、名を浜離宮と改められた。
浜離宮恩賜庭園
奥に見えるのは汐留シオサイトのビル群

池の真ん中の島には典雅な茶室があり、
そこに架けられている橋を渡っていくのです。
風情があるじゃないですか。
美しく架けられた橋の形も良いのですが、茶室だけを見ると、
まるで池の上に浮かんでいるように見えます。やっぱり幻想的な風景ですね。

牡丹苑
こちらでは、ぼたんの花も観賞できちゃいました。
花の大部分はもう終わっていて、散りかけていたのですが、
残っているものだけでも十分堪能させてもらいました。
東照宮で見なくて良かったです(笑)。
だってこちらはタダだしね(入園料は払ったけど)。
ぼたん
何となく成り行きでやってきた『浜離宮』でしたが、
ここは本当に大満足でした。来て良かったです。
皆さんお近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

すっかり気分が良くなった私たちは、
駐車場まで『汐留』駅からユリカモメに乗って帰ることにしました。
ただ単にもうこれ以上歩けなかっただけですが、
そこで最近話題の再開発都市『汐留シオサイト』の雰囲気を味わうことが出来ました。
旧国鉄の跡地に広がる高層ビル群、中でも電通本社は鋭角的なデザインで目を引きますね。
まだまだ工事中でこれから発展していくようでした。
  歴史を味わう旅が、最後は未来都市とも言うべきシオサイトで終わる、
というのは面白いですね。
災い転じて福となすといったところでしょうか。
東京にもまだまだ見ていないところはたくさんありますし、
行きたい場所もあるというのが今回のことで良く分かりました。


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