2003年春 山梨・神代桜と大糸桜

4月19日、山梨の有名な桜を見に行ってきました。
まずはじめに向かったのは山梨県武川村にある実相寺の神代桜です。

実相寺へ向かう途中の桜は花がほとんど散っていて、
来るのがちょっと遅かったかと、
かなり大きな不安を抱いて実相寺に向かいました。
確かにちょっと遅く、かなり花が散っていましたが
まだきれいな花がいっぱい残っていてホッとしました。

神代桜は日本三大桜(武川村の神代桜・根尾村の淡墨桜 三春町の滝桜)の
ひとつで樹齢2000年といわれる国の天然記念物の桜です。
日本武尊(ヤマトタケル)が東夷征定の折りにこの地に留まり、
記念にこの桜を植えたという言伝えもあるほど古い桜の木です。
木には屋根が作られいれ雨から幹を護っていて、
幹はかなり朽ちていてちょっと痛々しい感じがします。
この木の場合桜の花を楽しむというより樹齢2000年ってどんな木?
というのを見るという感じですね。

ただここ実相寺には神代桜の他にも
たくさんの桜やスイセンやチューリップが植えてあるので、
きれいな花を楽しむことも出来ます。
(チューリップはまだほとんど咲いていなかったけど)

神代桜
神代桜
◆エドヒガンザクラ(アズマヒガンザクラ)
◆国指定天然記念物 (1922/10選定)
◆新日本名木百選・日本の三大桜
樹高約9m、根回り約13mは国内最大級。
例年、4月10日前後に満開となります。

神代桜
右下に写っている人と比べると神代桜の大きさが分かると思います。

実相寺と甲斐駒ケ岳
ちょうど水仙も満開でした。
桜のピンク色と水仙の黄色の対比がまた美しかったです。


次に向かったのは実相寺から少し離れたところにある
武川村真原(さねはら)地区の真原桜並木です。
牧草地の道路脇750mに200本の桜が並んでいます。
ここはロケーションがとても素晴らしく、
牧草地の向こうに桜、その奥に南アルプスの山並みが見える
とても素晴らしいところです。
真原桜並木

真原桜並木
ここの桜は実相寺よりも少し遅れて咲くらしいのですが、
私が行った時は幸いにしてこちらも満開。
良いタイミングだったようです。
桜が道の両脇に植えられていて、車がすれ違うにはちょっと狭い道幅なだけに、
まさにトンネル状態。

真原桜並木と甲斐駒ケ岳

天気が良ければ桜並木の背後に甲斐駒ケ岳や南アルプスが
もっと美しく見えるはずなのですが、今日は残念ながらお天気は今一つ。

南アルプス


お昼は近くのお蕎麦屋さんまで足を伸ばしました。
禅光庵という外観も内装もおしゃれなお店です。
お昼よりもちょっと前に着いたので、まだ誰も居なかったのですが、
12時を過ぎた途端に店の中がお客さんで一杯になりました。
早く行って良かったです。
あ、もちろんお蕎麦も手打ちでコシがあって美味しかったですよ。
禅光庵


続いて台ヶ原宿へちょっと寄り道
江戸時代に甲州街道の宿場として栄えた台ヶ原宿は
現在の甲州街道と平行して古い町並みが残されています。
山梨銘醸
1835年築の山梨銘醸
山梨銘醸は利き酒が出来たり、お座敷の見学なども出来ます。
お酒が好きな方にはおすすめですね(飲酒運転はダメですよ)。
私はこちらで小さなビンのお酒「やわくち」を買いました。
このビンが変わった形で青いガラスがとてもきれいなのです。
中身を出してビンだけ売っても売り物になるのではないかと思うくらい。
しかも300円だったし。お買い得〜♪

信玄餅の金精軒
向かいにある信玄餅で有名な金精軒
金精軒も風情のある建物で外から眺めるだけでも良いかも。
「信玄餅」も美味しいですよ。しっかりと買って帰りました。


それから次に向かったのは清春芸術村です。
こちらには正十六角形
(エッフェルが設計し、数多くの巨匠が生活した
パリの同名のアトリエ・アパートを模した)
の形をした会員制の貸アトリエ「ラ・リューシュ」などがあります。
こちらは人が多くて車がごった返していました。
そしてもちろん桜も満開。周囲の桜はどれも巨木なので見ごたえもあります。

そして中に入ると芸術的なデザインの
「清春白樺美術館」が白樺の木に囲まれて立っています。
こちらは小さいながらもかなりのビッグネームが揃っていました。
武者小路実篤「自画像」「柿」、岸田劉生「麗子洋装之像」、
高村智恵子「樟」、梅原龍三郎「浅間噴煙」などが展示されているのですが、
展示場所が狭いせいか、
小さな壁一面に10枚くらいの絵がぎっしり飾られていたりして、
とっても無造作というか、大雑把というか。
もっと落ち着いて見られると良かったのですが、そんな雰囲気でもなくてね。
気軽といえば気軽でしたけども。

清春芸術村

清春芸術村

清春芸術村


最後は神田の大糸桜(しんでんのおおいとざくら)です。
ここは普段は人が来ることもないのか、駐車場もなくて
(観光バスの駐車場はとりあえず確保されていましたが)
周囲の道も狭いので、車を止めるだけで一苦労です。(路上駐車)
無意味にぐるぐるとあちこち回ってしまいました…。
でも車がないと行きづらそうな場所なんだけど、どうなんでしょう?

県の天然記念物に指定されている樹齢400年のしだれ桜で、
周囲に畑しかないような場所にぽつんと一本だけ立っていました。
だから余計に大きく見えるのかもしれませんね。
『神代桜』とはまた違った迫力と美しさで、
滝のように咲き誇る花の濃い目のピンクが色鮮やかでした。
しかもやっぱり満開。本当に絶好のタイミングだったのでしょうね。
こちらもやはり天気が良ければ背景に南アルプスが見えるはずなのですが、
今日は残念ながら見られませんでした。
神田の大糸桜
見る向きによって姿ががらりと違って見えます。
神田の大糸桜
◆種類 エドヒガンザクラの変種
◆樹齢 約400年
◆枝はり 東西20.0m、南北20.0m
◆幹囲 7.50m
◆樹高 9m
スイセン
ここもスイセンがたくさんありとても綺麗でした。


ここまであちこちを回って、気がついた時にはまだ3時くらい。
もうちょっと他に回ってみたい所でしたが、
雨が降ってきてしまい景色も良く見えないし、
という訳で、そのまま帰ることにしました。
いつもは段取りが悪かったり、道に迷ったりして、
時間を無駄にしてしまうことが多いのですが、
今回は見事にきれいに回れてちょっと驚き。
桜もどこに行っても満開だったしね。
一日でたくさんの桜が堪能できました。
やっぱり桜は良いですね。


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