2004年春 旧岩崎邸〜亀戸天神〜新選組展

4月17日、藤を見るために『亀戸天神』に行くことにしました。
でも、それだけでは物足りないので、近場でいろいろ行ってみることに。
と、いうことで。

まずは『旧岩崎邸庭園』です。

こちらはかつて三菱財閥岩崎家本邸でしたが、
現在は東京都の管轄になり一般公開されています(重要文化財にも指定)。
庭園といってもメインはお庭ではなく、そこにある建物なのです。
受付から中に入ると途端に異次元の世界。
豪奢な洋館の前に背の高い南国風のシュロの木が並んでいて、
どこの国?と不思議な気持ちになる光景です。
岩崎邸正面
こちらが正面。

この異国感は、こちらの屋敷全てにわたって言えることなのですが。
おそらくこの館を設計した英国人ジョサイア・コンドル氏が
建築家というよりも学者だったからなのでしょう。
悪く言えば一貫性がなく、良く言えば何でもアリで、
ヨーロッパの建築様式をこれでもかとぶち込んであります。
それだけでなくイスラム風の意匠もあちこちに見られたりします。
だからこそ面白い建物だとも言えるのかもしれません。
岩崎邸裏側
こちらは裏側です。ベランダが特徴的です。

それに何よりも豪華絢爛です。素人目にも金かかってんなー、と分かります(笑)。
しかもこれだけ立派な建物なのに、当時はパーティなどに使われていただけだとか、
かつては1万5千坪の敷地に20棟以上の建物があり、
これはその一部でしかない、と言われてしまうと、
その規模は想像を絶します。三菱財閥恐るべし。
ちなみに普段生活していたのは隣接している和館のようです(こちらは後ほど)。
横側
側面は日の当たるサンルームになっています。


サンルームへの入り口をアップにするとこんな感じ。ここからは入れません。



次はいよいよ中へ。

左はバルコニー、右は入り口です。
  
木造二階建ての建物は外観よりも木のぬくもりが感じられる落ち着いた印象で、
柱や壁の深い色合いが歴史を物語りますが、
それだけに手を触れてはいけません。
そういえば階段を上る時に手すりを触っちゃったけど良かったのかな?(苦笑)。
柱一本にしても、壁紙や天井にしても、全てに手がかかっていて、
美しい細工が施されているのは圧巻でした。
多分、そんなのを全部じっくり見ていたら一日かけても飽きないと思います。


左はピンクが基調の部屋、右は赤ですね。もちろん壁紙は「金唐革紙」です。
 
客室もそれぞれデザインが変えられていて、
壁紙や調度品をピンクや緑、赤で揃えられた部屋もありました。
その壁紙にしても全て「金唐革紙」(革に似せて和紙で作る)という大変手の込んだもので、
完成までにかかる時間は60cm四方で約2週間だとか。
それが天井まで張りつめられている部屋もあるのですから、驚きます。
備え付けの暖炉ですら、部屋によってデザインが違うんですよ。

他にもヨーロッパ建築にはないベランダがついていて、
柱の並んだ美しい姿で、眺めももちろん素晴らしくて、ここの手すりの細工すら見事だとか、
隣に建てられた撞球(ビリヤード)室はスイスの山小屋風で、
これまた異国情緒満点ながら中に入れないのが残念だとか、
いろいろ書きたいこともありますが、何より驚きなのはこの豪華な洋館と、
住居にしていた和館がつながっていることです。まさに和洋折衷。

こちらが和館です。
 
こちらの和館は、書院造りを基調にしたもので、
完成当時は建坪550坪に及び、洋館をはるかにしのぐ規模を誇っていたらしいのですが、
南側に司法研修所の建物を造る際に大部分が取り壊されたとのこと。
しかもその建物は今は使われていないんです。ひどいですねー。
きっと価値が分かっていなかったんでしょう。
その為、絢爛豪華な洋館を見た後では和館が物足りなく見えてしまうのも事実です。
が、きれいに手入れされた日本庭園を眺めながらのんびりすると落ち着きますし、
居心地はとても良いです。

次はすぐそばにある『横山大観記念館』へ。
 
  こちらはかつて大観が住んでいた家で、本当に今にもそこから大観が現れてきそうな雰囲気。
この庭を眺めながら描いたのかな、なんて思いをはせるのも良いです。
床の間には大観の作品がそのまま掛け軸として飾られており、部屋と一体化して楽しむことが出来ます。
本来はこうして楽しむものなんでしょう。
その分、作品の展示数は少ないのですが、
こんな美術館があれば良いのに、と思いました。
一作品に一部屋、…無理ですね(苦笑)。
とてもぜいたくな時間を過ごすことが出来ますが、
休館日もかなりありますので行かれる前にご確認を。


そしていよいよ本日のメイン(?)『亀戸天神』へ。

今年の藤祭りは4/21〜5/10ということで、私たちが訪れた時はちょっと早かったのです。
当然ながら藤もまた満開!という訳には行きませんでしたが、
人出も少なめで、ゆっくりと見て回ることが出来ました。
シーズンには歩けないほどの混雑になるそうです。
ゴールデンウィーク前に行っておくのも良いかもしれません。

藤そのものは、早咲きの棚やピンクの藤が満開で、太鼓橋からの眺めは素晴らしかったです。
ライトアップもされるそうです。ただ全体的に木が小ぶりなので、ちょっと物足りない感じもします。
戦火によって消失し、戦後50年をかけて復興されたらしいです。
亀戸天神の建物もそんなに大きなものではありませんし、敷地も狭いです。
これだけをわざわざ見に行くのは弱いかも。
 
亀戸だけに亀がたくさんいました(笑)。
菅原道真公が奉られているので受験生には良いですね。
ここは梅もあります。くず餅も有名らしく、買って帰りました。



次は『江戸東京博物館』です。



ここは何度も行っているのですが、ただいま企画展として『新選組!』展が開催中なのです。
もちろん大河ドラマを受けて、ということになります。
以前に調布に行った時に近藤勇の出生の地でありながらも、
新選組にまつわる場所に行けなかったので(全然案内がない)、リベンジといった所。
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ですが、一言で言ってしまいますと、とにかく人がすごかったです。
旬だから仕方がないとはいえ、展示品をまともに見ることも出来ないくらいの人だかり。
しかも色々なものが残っている割には、これぞ新選組というようなものは少なくて。
刀とか槍とか羽織とか鎖帷子とか鉢金とかが見たいのに…残念でした。
あ、でもファンの方は行って損はないでしょう。行列は覚悟の上でどうぞ。




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