2004年春 小田原城と長興山のしだれ桜

4月3日桜を見に小田原城と長興山に出かけました。
今回はメインは「長興山紹太寺のしだれ桜」が目的地ですが、まずは定番の小田原城に行きました。

お天気も良いし、上着がいらないくらいに暖かくて、お散歩日よりでした。
ちょうど「かまぼこ桜まつり」が開催中で、たくさんのお店が出ていたり、フリーマーケットも行われていました。
ゆっくりと見て行きたい所ではありますが、今日のメインはここではないので、急ぎ足でです。

小田原城は室町時代に足利将軍の重臣大森氏がこの地に築城したのが始まりです。
1495年北条早雲が奇襲により、この城を奪いました。
北条氏の頃の小田原城は、堀の内側に市街地まで取込んだ巨大な城でした。
(この発想は小田原城を見た豊臣秀吉によって大阪城などにも取り入れられました。)
東は酒匂川、西は早川、南は相模湾、北は箱根の山々と
天然の要害を利用し、難攻不落を誇りました。
上杉謙信や武田信玄が小田原に攻め込んだ時にも
落城させることは出来ませんでした。
天守閣は北条氏滅亡後、徳川家康の家臣大久保氏によって建てられたようです。

現在の天守閣は1704年頃再建されたものを復元したもので、
城内には動物園や遊園地などもあるスゴイお城です。


小田原城のお堀の桜

 
小田原城銅門
 

城内の桜並木


小田原城天守閣と桜と象のスリーショット


小田原城天守閣

リニューアルした小田原駅は土地柄に似合わないクールで現代的な駅になっていてびっくり。
格好良かったです。
  長興山紹太寺にはほとんど駐車場がないので、
小田原駅周辺に車を停めて箱根登山鉄道に乗ります。
こちらは打って変わったローカル線の雰囲気で、いたってのんびりとしています。
途中駅の「風祭」ではホームが一車両ぶんしかないので、
他の車両はドアが開かないと言われてびっくり。
実際もとても小さな駅でした。

目的の「入生田(いりうだ)」駅もやはり自動改札もないこじんまりとした駅ですが、
桜を見に来る人でごった返しております。
狭いホームはすごい人で下に落ちてしまいそう。
  ここから「しだれ桜」までは徒歩で25分とのこと。
とはいえ、行きはずっと登りなので、運動不足の身には厳しいですね。

現在の「紹太寺」はとても小さなお寺になっていましたが、
その前には出店が並んでいて、にぎやかでした。
ここの広い道幅が当時の規模を物語っているようです。
「揚げかまぼこ」がおいしそうでしたが、
山に登る前にそんなのを食べたらいかん、と泣く泣くガマンです(笑)。

  しだれ桜を見るために、頑張って山を登ります。
ハイキングというほどのものでもなく、階段をのぼるだけなのですが。
とはいえ、両側にうっそうと高い木が立ち並ぶ長い石段は見た瞬間に気が遠くなりそう。
のんびりと坂を上る迂回ルートもありますが、ここは一気に階段ルートを進むことにしました。

最初は周囲の景色を眺めたり、少しずつ上っていく高さを感じたりする余裕もあったのですが、
なんせ358段というだけあって、きつかったです…。
これを上れば桜が見られるのだから、とそれだけを励みに頑張りました。


しだれ桜へと続く石段

紹太寺は江戸時代の小田原藩主だった稲葉正勝とその母・春日局が眠る場所で、
かつては七堂伽藍の整った大寺院だったそうですが、
火事で焼失してしまい、当時をしのばせる跡が残るのみです。
それでも桜は無事だったというのは不思議です。

階段を上りきると、のどかなみかん畑が広がります。
ここにかつては「紹太寺」の大伽藍があったことを思うと、すごいなぁ、と感心するばかり。
無くなってしまったのはとても残念ですね。
ここから少し階段を上ると、「稲葉氏一族の墓」があり、春日の局のお墓もあるのですが、
もう階段は勘弁して、という状態だったので、とにかくしだれ桜に直行です。
帰りに余裕があったら見ることにします。
 

長興山紹太寺のしだれ桜

またしばらく林の中を歩くと、とうとう見つけました。「しだれ桜」です。
…が、あれ?ちょうど満開ということだったのに、あんまり花が咲いていないみたい…?
もう老木だから花も咲かないの?、と思いながら木の正面に回ってみると、
見事に流れ落ちるような桜の花を見ることが出来ました。
ちょうど木の裏側だったので、よく見えなかったのです(しだれ桜だから…)。

  ソメイヨシノよりもまだ薄い桜色で、ほとんど白に近い花でしたが、
丈の高いどっしりした大木から流れる桜の花はまさに圧巻。
こちらの桜は推定樹齢約330年という県内でも有数の大木で、
小田原市の天然記念物にも指定されています。
これだけのために毎年多くの人々が苦労して
山を登って見に来るだけのことはある、と納得しました。

ちょうど桜の正面には売店があり、椅子とテーブルが並べられていて、
桜を見ながらちょっと一杯、なんて人でにぎわっています。
私たちもお昼時だったので、桜を見ながらお弁当にしたいな、
と売店を覗いてみることにしました。
(人がすごくて食べる場所がないかも、
と不安だったので、何も持たずに来たのです)。
  売店にはあいにくお酒のつまみのようなものしかなかったのですが、
ちょっと離れた場所にお弁当屋さんを発見。
自動販売機もあり、ここでお茶を購入。便利です(笑)。


長興山紹太寺のしだれ桜

さっそくお弁当を手に、しだれ桜を見下ろせる高台に陣取りました。
春のうららかな日差しの中で、爽やかな風に吹かれながら、
雄大な桜を眺めてのんびりとお弁当を食べる 。
なんて幸せな時間なのでしょう。
時折、強い風にあおられて桜の花びらが
こちらに届いてくるのもまた良い風情でした。

  特に、ここのしだれ桜は大木なので、下からみるよりも、
上から眺めた方がきれいに一望できるのです。
樹齢330年とも言われる大木は、さすがに枝を柱に支えられてはいますが、
まだまだ老木という印象ではなく、壮年といった感じの力強さがありました。
これからも長生きして、ずっと美しい桜を見せてもらいたいものです。

  帰り道は下り坂なので気楽です。
長い石段を下りる時はちょっと足がががくがくしましたが(苦笑)、
途中で迂回ルートの坂道を下りたり、
道の脇の水路を覗き込んだりしながら
(この水路でホタルを放しているようです。その時も見てみたいものですね)、
一気に下界に辿り着きました。やはり下りは早かったです。15分くらいでしょうか。
帰り道ということもあるかもしれませんけれど。
あ、それでも「稲葉氏一族の墓」は断念。そんな余裕なかったです…。


神奈川県立生命の星・地球博物館

  入生田駅に戻ってきた私たちですが、まだ時間が合ったので、
程近くの「神奈川県立生命の星・地球博物館」を見ることにしました。

すでに一度は見ているのですけれど、こういう場所は何度見ても面白いものです。
特にここは作りが凝っていて、大きな岩石や地層の壁がどっしりと立っていたり、
動物や海獣の剥製が所狭しと並んでいたり、恐竜やマンモスの骨のレプリカがあったり。
大人も子供も大喜びではないでしょうか。
個人的には熊の剥製がお気に入り。毛皮の手触りがふかふかで気持ち良かったです。
 

博物館内部

そこからまた小田原に戻り、お土産を買って帰りました。




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