2003年・海を満喫・伊豆の旅



  3月の8日9日伊豆へ行ってきました。
私は神奈川県民なので、伊豆といったらすぐ近くです。
泊りがけで行こうとはなかなか思わないのですが、
今回は伊勢海老につられて伊豆に行くことにしたのでした。

  車で2,3時間あれば辿り着くので、朝ものんびりと7時に出発です
(いつもは4時〜5時くらい)。
途中のパーキングで朝ご飯を食べたりしながらも、10時くらいには沼津に到着。

はじめに向かったのが「蛭ケ小島」。
ここは源頼朝が流された地で、14歳から旗挙げする34歳まで過ごしたといいますが、
はっきり言って何も残っていません(苦笑)。
ただ石碑がぽつんとあるばかりです。
何といっても頼朝が旗挙げをしたのは1180年のことですから。
800年以上も昔にそんなことがあったのか、と
歴史のロマンを感じてみるのも良いでしょう。

何も残っていません。

蛭ケ小島といっても本当の島ではありませんでした。
川の中州だったのです。
おそらく平家の人は海に浮かぶ小島だと思ったのでしょう。
都から遠く離れた地の情報なんて正確にはわからなかったんでしょう。
おかげで頼朝はこの地の豪族の娘と恋に落ちたり、
挙兵の準備をしたりできたのだけどね。


意外と大きいです。

次はそこから程近くの「韮山反射炉」へ。
嘉永6年(1853)、ペリーの率いる4艘の黒船が浦賀に来航しました。
これにより国防の必要性を感じた伊豆の代官・江川太郎左衛門の進言で、
大砲を鋳造するための反射炉が造られたのでした。
ちなみにこのとき作られた大砲は各地に据え付けられましたが、
東京の「お台場」もその一つです。
「台場」は砲台を置く場所という意味なのですね。
反射炉の傍らには、大砲も復元されて飾られていました。

  それはさておき、反射炉です。
鉄を溶かして型に流し込んで大砲を作るのですが、
鉄を溶かす際に、炉の内部で熱を1ヶ所に集中させて金属を溶かす構造になっており、
反射熱を利用することから「反射炉」と名付けられています。
その当時、諸大名(島津・毛利・水戸・鍋島)も、反射炉の築造を手がけましたが、
完全な形で現存するのはここ、韮山の反射炉だけだそうです。
きれいに保存されていますので一見の価値はあるかと。
こちらも歴史のロマンを感じさせられますね。


海の上を遊覧です。

そして次に向かったのは「あわしまマリンパーク」です。
「淡島」というだけあって、もちろん「島」です。
江ノ島よりももっと小さな見るからに「小島」という雰囲気ですが、
そこにはロープウェイで渡ります。
そう、つまりはロープウェイで海の上を行く訳です。
ちょっと珍しいと思いません?
「淡島」そのものにはそれほど魅力を感じていなかったのですが(苦笑)、
このロープウェイに乗りたいが為に行くことにしたのでした。
  そして乗ってみると、海がマリンブルーだったり、
エメラルドグリーンだったりして、ものすごくきれいなのです。
しかも富士山も眺められますし、最高です。
ほんの数分の空中散歩ですが、これだけでも来た甲斐はあるというもので。

  海上ロープウェイの山頂駅から今度は水族館などの施設がある場所まで、
またエレベーターで下ります。
何の為に上ったの?という気もしないでもないですが(苦笑)、
このエレベーターに乗る為の通路がまた面白くて。
まるで海の上を歩いているような気分です。
高所恐怖症の人は辛いかも。私は楽しめました。
  そして「展望台エレベーター」へ。
これもまたガラス張りになっていて眺めは最高です。
エレベーターは1分間かけて、ゆっくりと下りるので、
景色を十分に楽しむことが出来ました。
あ、これもやっぱり高所恐怖症の人は辛いかもしれませんね。
 
アシカが可愛い♪

エレベーターを降りたところで、ちょうどアシカショーが始まるというアナウンスがあり、
さっそく行ってみました。
でもそこは本当に小さなプールと客席があるだけの小じんまりした造りです。
  割と水族館好きで、あちこちのイルカやアシカショーを見ている私は物足りないのでは、
と不安だったのですが、いざ見てみると、小さい分だけ目の前でアシカが見られるし、
これはこれでイイかも、と思っちゃいました。
いやホント、アシカは愛嬌があって可愛いですね。
黒い瞳がくりくりしていて。そしてもちろん芸達者。
「笑い顔」には笑わされます。
子供たちに混じって思わず盛り上がってしまいました(笑)。

イルカもジャンプ!

この勢いで、今度はイルカショーにチャレンジ。
…してみたのですが、こちらはどうもイマイチでした。
アシカと違ってプールが広くなっていたせいか、イルカが泳いでいるばかりで、
1回ジャンプをして、また戻ってくるのに時間ばかり掛かります。
もっとびょんびょんジャンプしたり、ぐるぐる回ったり、
バシャバシャと勢い良くやって欲しかったのですが。
イルカもちょっとお疲れだったのでしょうか?

  そして次には水族館へ。
とはいえ、ここは水槽がいくつかある本当に小さな規模のものですが。
ペットショップの方がよほど色々あるんじゃないか?という程度です(苦笑)。
ここでしか見られない、というものはないですが、
逆に空いているので、のんびりと楽しむことは出来ますね。
他の水族館だったら見向きもされないような
地味な魚たちをじっくりと観察してみるのも良いかも。
私はここで初めて「ウニ」に触ってみました。
トゲがチクチクするかと思いきや、意外と痛くないんですね。
ちなみにウニは淡島の海岸にごろごろ転がっています。
手を伸ばせば取れるかも。取っちゃダメだけどね。
  他にも夏にはプールが楽しめ、陶芸コースや磯釣りもあります。
島をのんびり一周するハイキングコースもあるので、一日遊べるかもしれません。
私は次があるので、お昼ぐらいに引き上げましたけれど。


絵のようですが写真です。

つぎは「天然記念物・堂ケ島天窓洞(てんそうどう)」です。
実はここがメインといっても過言ではなく。
こちらは海上から船で洞窟の中を進んでいくと、
ポッカリと天井に穴があき自然の「天窓」となっている
ダイナミックかつ幻想的な空間なのです。
もうこれを聞いただけで行ってみたくなるでしょう?
ものすごく楽しみにしていたのですが、残念ながら海が荒れていたために、
船が出ていませんでした。がっくりです。

  仕方がないので、歩いて展望台へ上り、
ほんの少しでも雰囲気を味わうことにしました。
すると展望台からの眺めはごつごつとした岩肌に荒々しい波が次々に押し寄せ、
まるで東山魁夷の「唐招提寺障壁画・濤声」といった風情。
確かにこれでは船は出せそうにないですね。せっかくの良い天気だったのですが。
それでも海の色は何ともいえない美しさでした。
青というよりはエメラルドグリーンですね。

これはこれで。

すごい眺めです。

仕方がなく「天窓洞」も地上からの眺めです。
つまりは天窓の上から見ている状態ね。
何の変哲もない草むらの中にぽっかりと大穴が開いていて、
中では波がうねっています。
ここまで船がやってくるのかと思うと、それだけでびっくりです。
やっぱり船に乗ってみたかったなぁ。
という訳で、ここはまたいずれチャレンジすることでしょう。
船が出ているかどうか、電話で確認してからの方が良いかもしれません。

マップ
天窓洞付近の地図です。
A地点が天窓洞で、点線の部分が海の水が流れ込んでいる洞窟です。

何の変哲もない公園でしょ。
ここが地図上のA地点です。
とてもここに海があるとは思えませんが、下の写真を見てください。
地面にポッカリと穴が開きその下に波しぶきが上がっています。
海が穏やかならここまで遊覧船が入ってくるのです。
ここまで船が来るのです。

まさに洞窟ですね。
ここが地図上のB地点です。
洞窟の出口です。
陸上にちょこっとだけ海岸があるのです。


こんな学校良いですね。

そして次に向かったのは「重要文化財・岩科学校」です。
ここ松崎町は、珍しい「なまこ壁」の美しい町並みがあるところとして有名です。
町中をのんびりと散策してみるのも良いかも。
もちろんこの「岩科学校」にもなまこ壁は見られます。
伝統的な建築手法とバルコニーなどの西洋建築様式を取り入れた造りで、
甲府の睦沢学校 ( 明治8年 ) 、松本の開智学校 ( 明治9年 ) に次ぐ
古い学校建築物として知られています。
その通りに正面玄関の白いバルコニーがとても印象的です。
  館内にはその当時を忍ばせる展示物が並び、
等身大の校長先生人形が厳めしい顔で出迎えてくれたりもします。
しかし、ここの最たる特長といえば名人・入江長八による「こて絵」でしょう。
正面玄関には迫力のある龍があり、
通称「鶴の間」の壁には美しい青の空に白い鶴の絵が見事です。
私は行きませんでしたが、この近くには「長八記念館」「伊豆の長八美術館」もあります。
合わせて見てみるのも良いのではないかと。

バルコニーがおしゃれ。
正面玄関

こて絵
正面玄関にある名人・入江長八による「こて絵」

子供を背負った人もいますね。
こんな人形もあります。

  そして伊豆半島を海沿いにぐるっと回って今夜の宿の伊東へ向かいます。
残念ながら、曇って少し雨も落ちてきてしまいましたが、
夕焼けに照らされた雲と海が赤く染まって、
幻想的な光景でした。
オレンジじゃなくて、本当に「赤」なんです。
写真も撮ってみたのですが上手く写らなくて残念。
走っている車内からなので、仕方がないですね。
とりあえず今日一日で一年分の海を見たような気がします。すっかり満喫できました。
  2時間以上のドライブの末に、宿には6時半に到着。
ホテル自体はとにかく「料理」で選んだので、さして特筆することもないのですが、
やっぱり「料理」そして「伊勢海老」ですよ!
その様子は次のページに続きます。

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