2003年夏 上田〜立山黒部アルペンルート

7月28日〜30日長野県の上田〜立山アルペンルート観光に出かけました。

最初の目的地『上田』です。
こちらには上田城が残っています。
とはいえ、松本城のように立派な天守閣が残っている訳ではなく、
大手門と櫓があるだけの寂しいもの。
本丸西櫓以外は近年の復元なので、
どうせなら本丸も復元すれば良かったのに、
と思ったりもします。
上田城
そんな地味なこの城が観光バスも押し寄せるほどの大人気なのは、
ひとえに城主の力によるものでしょう。
  この上田城の城主は謀将・真田昌幸。(真田幸村のお父さん)
昌幸は襲い来る徳川の大軍をこの城から迎え撃ち、二度にわたって撃破したのです。
関ヶ原の戦いにおいて、徳川軍別働隊に大打撃を与えたのです。
しかし肝心の石田三成率いる西軍本体が徳川家康軍に負けてしまったため、
西軍に味方した父昌幸と幸村は高野山へ配流されてしまいました。
その後、幸村は大阪夏の陣で劇的な戦死を遂げます。
そう聞くと、歴史のロマンを感じるじゃありませんか。
美しさ、というよりも、実戦に耐えた質実剛健さを味わってみてください。
ただし真田氏がいたのは戦国時代まで。
江戸時代になると真田氏は長野の松代に転封されてしまい、上田城は仙石氏の居城となります。
櫓の内部も見学できますし、博物館もあります。

上田城

真田石
大手門にある巨大な真田石

それから昼食にお蕎麦を食べ、ちょっと上田市街を散策。
柳町
古い町並みが残る柳町
期待したほどの規模ではなく、古い町並みはごくわずかでした。
柳町


それから次に向かったのは、独鈷山「前山寺」です。
こちらには重文・三重塔があります。
前山寺
室町時代末期に作られた、繊細な美しさを持つ塔ですが、
よく見ると不自然な柱などが飛び出しているのが分かります。
実は塔としては未完成だったからなのです。
とはいえ、それだけに余計な装飾を排したシンプルな美しさがあり、
「未完の完成塔」と呼ばれています。
確かに言われないと分かりませんし、
最初からこうやって作るつもりじゃなかったのか、と思ってしまうほどなのでした。


次は別所温泉にある「北向観音」に行きました。
北向観音 北向観音
ここは南向きの長野の善光寺と向き合うように北向に立ち、
両方お参りしないと片参りになってご利益が無いと言われています。


  そして、次は同じく別所温泉にある「安楽寺」に行きました。
こちらには国宝・八角三重塔があります。
安楽寺 安楽寺
八角形というのは、塔としては珍しく、日本で現存しているのはここだけだとか。
うっそうとした林の中にある階段を上っていくと、ようやくその姿が現れます。
計算された緻密な美しさを持つ塔は、苦労して階段を登った甲斐もあるというもの。
ですが、私はまず見た瞬間に、シイタケ?と思ってしまいました(笑)。
屋根の形状や色合いがちょうどシイタケが傘を開いているように見えるんです。
近づいてみればそんなことはないですし、
細部にまで丁寧に作られた仕事の美しさを味わえます。


  他にもまだ上田には歴史を感じさせるお寺や塔がありますが、
時間がなくなってしまったので、今回はここまで。
また機会があったら見に行くことにして、
今夜の宿のある大町温泉に向かいました。


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